今年の総会で夏場の猛暑と会員の高齢化で稲作作業が厳しいとの意見があり、田んぼの一部を休耕田として「トンボ池」に変えました。ビオトープには湧水池、三角池、カワセミ池がありますが狭く水生生物の生育が限られていました。ヨシが密生しているザリガニ釣り場は湧水の減少と気温上昇で度々渇水してしまい、水がある時のみザリガニ、カダヤシ、ウシガエルが生息しています。今回造ったトンボ池は約30坪程でホタル水路から湧水が入ってきますので渇水はありません。池周りをギンヤンマが飛翔していましたが多くのヤゴやゲンゴロウ等の水生昆虫が見られることを期待しています。向かいの休耕田では今年も大輪の大賀ハスなどが開花しました。
例年稲穂が垂れ始めると多くの雀がはざがけパイプやヨシ湿地に集まって、人のいないのを見計らって米を食べに来ていましたが、今年はほとんど姿を見せません。よって、鳥除けネットも張っていません。稲刈り直前に数羽のスズメとキジバトを見ましたが被害はほとんどないようです。全国でスズメが減っていると報道されていますが柏も同じようです。
9月に入っても猛暑で「熱中症危険情報」が出るので稲刈りを9月13日からと予定していましたが、コシヒカリが一部倒伏し、台風15号の大雨で穂が水に浸かってしまったので6日より刈り始めました。深い田んぼで倒伏した稲を一株ずつ刈り取り、休憩を取りながらの作業になりました。マンゲツ(もち稲)は17日に名戸小5年生70数名で暑さに注意しながら行います。今後はビオトープでの稲作も更に継続困難になることが想定されます。
ビオトープの湧水については発足前に柏市が専門家にお願いして調査、計測を行っています。今回意外なところから一時的に湧水が見られましたが、これまでの計測データはじめ、現在水が湧いている地点と湧水量をまとめてビオトープだよりで説明しています。田んぼ側の湧水量はほぼ変わっていませんが回生の里側湿地の湧水は計測できる地点がありません。北側歩道斜面下全体より少しずつ湧き出ているだけのようです。ヘイケボタルの自生も確認されていますが早急の対策検討が必要です。
昨年は飼育中の事故で幼虫放流ができませんでしたが自生のホタルを確認できました。今年は4月に100匹ほどの幼虫を放流(環境の変化で今年が最後の放流になります)して、6月15日に2匹、22日に17匹のホタルを確認しました。放流区域から離れている場所でも確認されているので自生も含まれていると思われます。30年ほど前の名戸ヶ谷湧水付近では多くのホタルが見られたと地域のご高齢の方々から伺っていますので更に多くのホタルが飛翔するよう願っています。
会の田植えは連休最終日の2日間、8日には名戸小5年生77人が泥んこになりながら実施しました。皆さん楽しく良い思い出になったようで、参加したほとんどの児童からの感想文が届いています。(一部ビオトープだよりに掲載)稲は順調に生育しています。小さなシュレーゲルアオガエルは畔廻りで見られ、シオカラトンボやアゲハチョウが飛び交い、アオダイショウやニホントカゲは木道上等で陽当たり休息をとっています。
植物では「イチョウウキゴケ」がハス池隣の田んぼで多く発生、ハス池では巨椋ハスと大賀ハスの蕾も多く立ち上がり開花が始まっています。
会の活動は23年目の春を迎えています。諸先輩から引き継いでビオトープの保全に努めていますが、会員の高年齢化(特に男性)と初夏から晩秋までの猛暑続きで作業時間が限られ、厳しい状況が続いています。1月25日の総会(会の年度は1月~12月)では積極的な対策案が出ていますので対応していきます。
今年は2月の夜間気温が低いためかニホンアカガエルの産卵が遅れました。3月中旬にやっと130個を越えました。雨が少なく岩手で大規模山火事が発生しましたがビオトープでもザリガニ池の水が枯れました。この時期では初めてです。今年も天候に左右されそうです。
1月の定例活動で田んぼ四周に産卵用溝を掘り、湧水が緩やかに流れるようにします。卵塊が水に隠れるよう水深が10㎝ほど必要になりますので、排水口の止水板高さも調整します。ほとんどが溝に産卵されていますが、今年は田んぼの中央付近にも多くの卵塊があるので田んぼの稲株踏みは少し遅らせます。Bゾーン(湿地区域)にも産卵用池を掘っていますが、数年前から産卵は確認できていません。
数年ぶりにゴイサギが来訪しました。以前は湧水池後方の竹藪にいましたがダイサギやアオサギが来るので、しばらく姿が見えませんでした。アオサギは上空を飛んでいるのが見られますが、ビオトープには降下しないので再来したようです。環境の変化を感じているのかもしれません。
イソヒヨドリが昨年から来ていますが、今年は毎日見られます。本来は海岸や磯の岩に巣を作っていたようですが、都会のビルの隙間で巣づくりしています。数年前に流山おおたかの森でマンション工事中、鉄骨階段の隙間で営巣し、子育てしていました。背がブルーで腹がオレンジ色なので気を付けて見て下さい。
気温が20度を超えた日に冬眠から目覚めたクサガメが田んぼでお散歩していました。触れたらすぐ泥の中に潜ってしまいました。
今年も台風の直接襲来はありませんでしたが、名戸小の稲刈り予定日、更に延期日も猛暑で危険なため中止となりました。今後の稲刈りについての課題になります。もち稲は倒れず刈り取りは捗りましたが、うるち稲は少しの強風で一部倒伏してしまい、汗と泥んこでの作業となりました。又、脱穀作業も児童たちは学校行事の都合で中止となり、残念な結果でした。
刈った稲は「はざがけ」パイプ棚で天日干しです。好天が続かず作業日の決定が難しかったです。名戸小の参加はなくなりましたが、新会員もいるので昔ながらの足踏み脱穀機や唐箕での作業体験も実施し、最後は脱穀機で選別し昼過ぎで終わらせました。新米は会員はじめ市の担当部署にも配布しています。
昨年に続き、「文化の日」に収穫祭を盛大に開催することができました。用具の確認や洗浄、料理の前準備等ご協力ありがとうございました。
火起こしから始め、もち米蒸し、臼と杵で餅を搗きは家族会員の子供達も一緒に体験し、あんこ餅や黄な粉餅、肉がいっぱいの豚汁等をおなか一杯食べながら会員の親睦を深めることができました。搗きたての餅は最高に美味しかったです。一年間、ご苦労様でした。
掲示板前と名戸ヶ谷記念病院側水路前の銘板が年数経過で腐朽し、穴が開いてしまいました。倉庫にあった欅の厚板を木村様より頂戴し、会員の網永さんに毛筆で書いて頂きました。掲示板前は横書き、水路前は縦書きです。上端には小庇板も付けて擬木柱と鉄パイプ柱にボルト固定しています。
休耕田に「大賀ハス」と「巨椋ハス」を移植して4年目になり、今年も一面に花を咲かせました。巨椋ハス(白花で先端のみがピンク)が大賀ハス(ピンクで筋状の線がある)より勢力を広げています。9月の稲刈り時には隣の田んぼに最後の大賀ハスの開花がありました。
猛暑の合間を見て天日干し用の「はざがけ」パイプを組み立て、束ね紐等の準備を進めました。岩手県に上陸した台風の影響でうるち稲は倒れてしまいました。ビオトープは田んぼの土が柔らかいので、雷雨時の風でも倒れてしまいます。日本縦断が危惧された迷走台風でしたが、直接的な影響は無かったのが幸いしました。9月7日より稲刈りを始めましたが泥んこと倒伏で一株ずつの刈り取り、猛暑により1時間ほどでの切り上げで進まず、数日かかりました。もち稲は倒伏しませんでしたが9月中旬でも危険な暑さで、名戸小の稲刈りは13日から18日に延期となり、18日も猛暑で中止になりました。今後も今年以上に猛暑の継続や強大な台風が襲来するでしょう。ビオトープでの稲作も継続が困難になることが想定されます。
脱穀は足踏み脱穀機とガソリン駆動機+脱穀機で10月12日に予定しています。(天候により変更あります)
*今年は連日の猛暑で屋外作業が危険なため、案山子作りも中止しました。
名戸ヶ谷ビオトープ発足時に設置された説明看板が紫外線等で劣化していましたので更新しました。内容の見直しと場所もビオトープ掲示板前に移設していますのでご覧ください。